ここでは税務調査開始後の流れを簡単に整理いたします。
税務調査は、初めての方は緊張されると思いますが、顧問税理士が立ち会っている場合が多いと思いますので、リラックスして、感情的にならないように心掛けましょう。
税務調査は必ずしも追徴税額の負担を求めるものではなく、あくまでも申告内容が正確で適正であるかどうかを確認することです。
申告内容に問題がなければ追徴税額ゼロということもありますので、何も不正をしていなければ恐れることはありません。
(1) ヒアリング
基本的には、事業の概況を調査官が社長にヒアリングすることを通じて把握してゆきます。調査官は、帳簿を中心としたその後の関係書類の調査で、ヒアリング内容との整合性や裏づけをとって行きますので、わからないことはわからない、曖昧なことは適当に答えないように注意しましょう。
(2) 関係書類のチェック
ヒアリングを終えると、帳簿など関係書類の内容のチェックと税務処理が適切かどうかを検討していきます。
その過程の中で、調査官が疑問に感じたことや間違いではないかと思った部分=指摘事項は税理士に回答を求めます。
尚、指摘事項はその場で指摘する調査官と、最終日に指摘する人、調査終了後に指摘する人と様々です。
税務調査は馴れないと緊張するものですし、基本的にはチェックですから、あまり気分の良いものではないかも知れませんが、以下の点を注意して冷静に対応しましょう。
◎感情的にならずに冷静に対応する
◎うそ・虚偽の発言はしない
◎曖昧なことは答えず、必ず調べてから返答する
◎例え世間話でも、余計な話はなるべくしない
税務調査の結末は、申告是認、修正申告、更正のいずれかに分かれます。
税務調査において修正申告すべき点が無かった事を申告是認と言います。
通常、税務調査では調査官からの指摘点を修正する修正申告書となるケースが多いようです。
修正申告とは調査によって、申告書の内容に誤りがあって、納税額が過少であったと認められた場合に、納税者自ら正しい申告に修正する手続きのことをいいます。
修正申告はあくまでも納税者自ら納得して修正する申告のため、修正申告書に自署・押印してしまうと、その後の抗弁は認められません。
修正申告書に自署・押印する場合は、慎重に対応して下さい。
更正は、納税者が修正申告に応じず、話がまとまらなかった場合に、税務署としての職権によって行う手続きです。
税務署は、なるべく修正申告を勧めてきますが、その理由は、前述の通り、修正申告は自らの意志で行うため、その後の異議申立てができなくなるからです。
但し、納得できないからと言って、あまりに強硬な態度になることはお勧めできません。
税務調査が終わり、修正申告を行うことによって、税額に応じて加算税がかかります。
また、期限後の納付になりますので、延滞税という利息もかかります。
これらの税金は一括現金納付が原則ですので、すぐに現金で支払わなければなりません。
しかし、資金繰り等の事情で一括で納付できない場合もありますので、その際は税務署に相談しましょう。
1) 調査段階で、調査官に予めその旨を伝えておきましょう。
2) 相談の結果、分割納付が認められれば分割で支払います。
その際、1年後くらい先までの資金繰り表があるとよいでしょう。
※但し、1年以内の支払いが原則で、分割時には延滞税もかかるので注意が必要です。
3) 税務調査が入ること、修正申告があったことを金融機関に連絡しておきましょう。
納税資金としての融資調達は難しいですが、金融機関との今後の信頼関係を構築するには大切なことです。
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